栃木県が初の最下位に沈んだ「都道府県魅力度ランキング」が知事選(29日告示、11月15日投開票)の争点に浮上している。5選を目指す現職の福田富一氏(67)は21日、この調査を行っているブランド総合研究所(東京都港区)に手法を改善するよう異例の申し入れ。新人の元NHK宇都宮放送局長の田野辺隆男氏(60)は「知事の発信力の向上が必要」と主張し、最下位を追い風にしようとしている。 同ランキングは一企業による調査だが、知名度が高く、施策の目標に位置付ける自治体もある。一騎打ちが見込まれる知事選でも、県の魅力向上に関する両氏の発言が注目されそうだ。 福田氏はこの日、同研究所の田中章雄社長と面会し、「観光意欲なども加味する総合評価」や「回答者の増加による精度向上」を求めた。田中社長は「調査の連続性を保つため手法は変えにくいが、精度は高めたい」と産経新聞の取材に話した。昨年まで7年連続最下位の茨城県は「知事がブランド総研を訪ねて直談判したことはない」(同県営業戦略部)という。 異例の申し入れについて、福田氏は「かねがね評価手法を疑問視していたが、最下位になったので動くことにした」と説明。「新たなスタートで、底からはい上がる。それを含め(次の任期も)私に任せてほしい」と語った。 一方、新人として攻める立場の田野辺氏は「有権者の関心が集まるテーマだ」と、最下位を半ば歓迎する。21日の街頭演説では「納豆にイチゴが(茨城に栃木が)負けるのはおかしい。知事の発信力の向上が必要」と力説した。 最下位転落は「コロナ禍で観光客が途絶えたのが主な要因」(田中社長)とみられる。地域のブランド作りに詳しい広島経済大学の北野尚人メディアビジネス学部長は「日光や那須は有名でも、県名と結び付きにくいのが実情。そのPRに注力しては」と提案する。(山沢義徳)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース